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疑似冬眠したハムスターの状態・目は閉じている
ハムスターを飼っている方は、帰宅するとまずハムスターの様子を見るという方が多いのではないでしょうか。
ハムスターは夜行性なので、仕事から帰宅するとちょうど活動を始める時間帯になりますね。
それがハムスターが活動していない!
しかもいつもと様子が違って元気がない!なんてことになっていては、亡くなってしまったのではと思う飼い主さんが多いでしょう。
動いていない理由には、亡くなってしまったケースと疑似冬眠をしているケースが考えられます。
野生のハムスターが体温調節が出来なくなり、稀に冬眠するということはあるようですが、ペットのハムスターが冬眠するということはまずありません。
ペットのハムスターが冬眠をしていたら、それは疑似冬眠という名の低体温症です。
適切な温度が保たれていなかったり、日照不足の環境では疑似冬眠をすることがあります。
しかし、見ただけでは正直疑似冬眠なのか亡くなっているのか判断することは、ほぼ出来ません。
疑似冬眠と亡くなっているハムスターの違いを紹介するので、まずは慌てずハムスターの様子を確認して下さい。
●疑似冬眠しているハムスター
・体に丸みや厚みがある
・目と口が閉じている
・毛並みが悪くない、適度に艶感がある
・微かですが、呼吸をして胸元が動いていることがある
●亡くなってしまったハムスター
・体の空気が抜けて、丸みや厚みがない
・目や口が完全に閉じていない
・毛並みに艶がない
・呼吸をしていない
・時間が経過していれば、体は硬く冷たくなっている
ハムスターの疑似冬眠から目覚めさせるには温めることが大切
疑似冬眠したハムスターは、低体温症の凍死してしまう寸前の状態です。
疑似冬眠から長く時間が経ってしまうと、目を覚ます可能性はどんどん低くなります。
疑似冬眠からハムスターを目覚めさせるには、まずは早く対応してあげることが一つのポイントです。
一時間以内には対処してあげたいものです。
ハムスターが疑似冬眠していることに気付いたら、まずは部屋の温度を暖かくします。
ハムスターは20度~25度が適温なので、この温度より低い場合は室内の温度を上げて下さい。
部屋の温度を適温まで上げたら、次はハムスター自身を温めてあげます。
早く温めてあげようとして、暖房やドライヤーの熱風を直接当てるなんてことは、絶対にNGです。
低体温症でダメージを受けている小さな体に、さらに追い打ちをかけることになり危険です。
柔らかいタオルにくるんであげたり、飼い主さんの手で包み込み体温で温めてあげましょう。
温めてから動き出すまでには時間がかかるので、数時間は様子を見てあげる必要があります。
ハムスターが疑似冬眠から目覚めたあとは
温めた甲斐があり、無事にハムスターが疑似冬眠から目覚めてくれたら、涙が出るほどの嬉しさと安堵感です。
しかし、まだ油断してはいけません。
目覚めた後も注意が必要です。
疑似冬眠は、私たちが想像している以上に体力を消耗しています。
目覚めたハムスターは疲れ切った状態になっています。
中には元気がなく、足元がふらつくハムスターもいます。
早く元気を取り戻して欲しい気持ちはわかりますが、いきなりエサを与えたりしないで下さい。
確かに空腹な状態ではありますが、エサを消化するために使う体力はまだありません。
消化に負担をかけず、吸収しやすいものとして、ぬるま湯に砂糖や蜂蜜を溶かしたものを与えて下さい。
濃度が30%になるように溶かしたぬるま湯を、一滴ずつゆっくりと飲ませてあげましょう。
糖分を与えている間も、温め続けてあげることを忘れないで下さい。
こうしているうちに、だんだんいつものハムスターの様子に戻ってくれます。
ハムスターが疑似冬眠する原因と予防方法
先ほども説明したように、ハムスターが疑似冬眠から目を覚ましたからといって安心していてはいけません。
小さな体に大きな負担のかかる疑似冬眠を、もう二度とさせないようにする必要があります。
きちんと疑似冬眠の原因と、予防の方法について理解して下さい。
●疑似冬眠の原因
疑似冬眠という低体温症を引き起こす原因は、ハムスターが寒さを感じていることが大きな原因です。
適切な温度が保たれていなかったり、日照不足の環境では疑似冬眠をすることがあります。
ハムスターが適温と感じる20度~25度よりも大きく下回った気温で過ごすと、その寒さから疑似冬眠を開始してしまうのです。
温度が5度~10度くらいになると、この疑似冬眠を開始する可能性が高くなるので、十分に温度管理には注意して下さい。
また、日照時間の極端に少ない部屋での飼育も、疑似冬眠を促してしまいます。
同じ気温であっても、陽の光の有無でも体感温度は違います。
さらにエサの量が少ないなど、ハムスターにとって十分な栄養を確保することが出来ていない状態も、疑似冬眠をする原因の一つとなってしまいます。
●疑似冬眠を予防する方法
疑似冬眠をする原因を見ればわかるように、温度や日照時間の維持で疑似冬眠を予防することが出来ます。
ハムスターの適温と人間の適温は同じくらいなので、人間が過ごしやすいと感じる温度でハムスターも飼育してあげましょう。
ケージには床材を多めに用意して、寒さを感じたハムスターがいつでも巣箱に運べる準備も必要です。
温度、日照時間、エサ、どの原因だとしても、適切に保てば疑似冬眠を防ぐことが出来ます。
ハムスターにとって過ごしやすい環境を作ることも、飼い主としての大切な役目です。
ハムスターが疑似冬眠したときは早めの対処を
ハムスターの疑似冬眠から救ってあげるためには、早めに対処することが必要です。
対処が遅れてしまうと、そのまま凍死してしまう可能性が高くなります。
ハムスターの種類や大きさ、体力などによっても個体差はありますが、平均的に疑似冬眠を開始してから一時間以内に対処する必要があると言われています。
一時間以内に疑似冬眠という状態に気付き、そして適切な対処をするには、ある程度の知識がなければ出来ません。
おそらく亡くなってしまったのだと思い、何の対処も出来ずにいるでしょう。
ハムスターが疑似冬眠をする環境を理解し、回復させるための適切な対処法を知ることで、救える命があるのです。